腸内環境にも良く、さまざまな健康効果が期待できることから、甘酒が人気です。
だいぶ前からスーパーでも見かけるようになりましたが、最近さらに甘酒のコーナーが広がったように感じています。
甘酒には、米と麹で作る甘酒と、酒粕に砂糖を入れて作る酒粕甘酒の二種類がありますが、今回紹介するのは、麹の甘酒の方です。
「甘酒ってなんで健康にいいの?」
「甘酒を普段の生活に取り入れたい」
そんな風に思っている方は、ぜひチェックしてみてくださいね。
目次
砂糖を使わずに甘みがつけられる
昔から作られている甘酒の材料は、炊いた米、水、米麹です。
これらをすべて混ぜて、約60℃で置いておくと、麹菌が持つ酵素(アミラーゼ)が、米のでんぷんを細かく分解して、より小さい「ブドウ糖」に変化させます。
このブドウ糖があるから、甘酒は砂糖を入れていなくても、甘いんですね。
麹から作られる甘酒は「甘麹」とも呼ばれ、砂糖がまだ流通していない江戸時代よりも前から作られてきた、日本の伝統的な発酵食品です。
夏バテ防止や熱中症予防にもなる甘酒
甘酒に含まれる栄養素は、ブドウ糖、アミノ酸、ビタミンB群などです。
ブドウ糖はすばやく体のエネルギーとなる栄養素。アミノ酸は、体力をつけ、疲労回復に役立ちます。
また、ビタミンB群は新陳代謝をアップさせて、エネルギーを効率よく体に回す働きがあります。
さらに、甘酒の大きな特徴は、発酵の力によって栄養素が細かい状態に分解されていて、体に吸収されやすくなっています。甘酒が「飲む点滴」とよく言われるのは、このためなんです。点滴も、栄養素が身体に吸収しやすい、より分子の細かい状態ですよね。
「甘酒」というと、冬に飲むものというイメージがあると思いますが、甘酒は夏の季語にもなっているんです。昔は、甘酒も夏の風物詩の一つだったようです。
食欲が落ちてきて、体力をつかう夏こそ、甘酒は夏バテ防止や熱中症予防のドリンクとしておすすめです。
甘酒で便秘がよくなる?
甘酒には、材料である米麹に含まれる麹菌がたくさん入っています。
麹菌は、ヨーグルトの乳酸菌と同じで、腸内フローラ(腸内最近叢)を刺激し、腸内環境を整える効果があるとされています。
さらに、甘酒に含まれるブドウ糖やオリゴ糖などの甘み成分は、腸内の善玉菌のエサになります。甘酒はこの2つの効果で善玉菌を増やし、腸に効く飲み物と言えるでしょう。
便秘や下痢をしがちな人や、胃腸が弱い人などは、まずは1週間続けて飲んでみて、その効果を確認してみると良いと思います。
甘酒で美肌になる?
町内には、体を病気から守る免疫細胞の約7割が集まっていると言われています。甘酒を飲むことで腸内環境が整って免疫細胞が活性化し、免疫力が上がります。
風邪やインフルエンザにかかりにくい、またはかかったとしてもすぐ治る、疲れにくくなるなど、体に良い変化があるようです。
また、便通がよくなることで、体の中に毒素がたまらずにデトックスされます。
肌のくすみや肌荒れなど、美肌作りにも役立ちます。
もちろん、腸の調子がよくなれば、消化吸収もよくなって、必要な栄養素を十分に体に取り入れることができ、体も元気になります。
アレルギーが気になる人にも甘酒はおすすめ
私も栄養士の学校で習いましたが、農林水産省によると、アレルギーの原因になりうる食品は27品目あり、えび、かに、小麦、卵、乳製品、大豆、キウイフルーツなどが挙げられています。
甘酒の原料は米なので、アレルギーの原因になりにくいアレルゲンフリー食品と言われています。
牛乳や豆乳が飲めないという人も、甘酒なら代わりになるのではないでしょうか。
また、酒粕から作る甘酒とは違って、米麹から作る甘酒にはアルコールが含まれていないため、子供やお酒が苦手な方でも、安心して飲むことができます。
甘酒のメリットは本当にたくさんあるので、ぜひ普段の生活に取り入れてみてくださいね。
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