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自家製が危険な発酵食品とその理由を解説!自家製納豆を作るには注意が必要
- 「自家製の発酵食品を作ってみたい!」
- 「自家製納豆って危険なの?」
- 「自家製すると危険な発酵食品はある?」
発酵食品を手作りしてみたいけれど、食中毒のニュースも聞くし大丈夫なのかな?と思ったことはありませんか?家族全員お腹を壊してしまったらと思うと、実際に作るのが怖いですよね。
そこで今回は、自家製すると危険な発酵食品について詳しく解説します。自家製納豆の注意点と、材料2つで簡単に作る方法も解説するので、安心して発酵食品を作れるようになりますよ。
ぜひ最後まで読んでみてください。
- ボツリヌス菌のリスクがあるウインナー・ソーセージ
- 腸炎ビブリオのリスクがある魚醤
- 発酵プロセスが複雑で自家製が難しい鮒(ふな)ずし
- 純粋培養でない自然由来の種菌を使った納豆・麹
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記事監修
栄養士 赤石美波
小学校教諭第一種免許状・中学校教諭第一種免許状・栄養士免許取得。栄養士の学校を首席で卒業後、保育園栄養士として勤務。食育活動や料理教室講師・セミナー講演・料理イベント開催など料理・食関連の仕事に従事。
赤石美波のプロフィール詳細
記事監修:栄養士 赤石美波
小学校教諭第一種免許状・中学校教諭第一種免許状・栄養士免許取得。栄養士の学校を首席で卒業後、保育園栄養士として勤務。食育活動や料理教室講師・セミナー講演・料理イベント開催など料理・食関連の仕事に従事。
死亡リスクも!自家製すると危険な発酵食品
自家製すると危険な発酵食品について解説します。
ボツリヌス菌のリスクがあるウインナー・ソーセージ
自家製のウインナーなどソーセージは、ボツリヌス菌食中毒のリスクが高い発酵食品です。
ボツリヌス食中毒では、嘔吐や視力障害、嚥下困難などの症状が現れます。重症例では呼吸麻痺で死亡することもあるので注意が必要です。
参考:ボツリヌス菌|「食品衛生の窓」東京都保健医療局 (tokyo.lg.jp)
参考:Microsoft Word - ボツリヌス症ファクトシート141017.docx (fsc.go.jp) 内閣府食品安全委員会
市販のウインナ―やソーセージはボツリヌス菌の増殖を抑制する働きがある「亜硝酸ナトリウム」を添加していますが、家庭では難しいですよね。
参考:内閣府食品安全委員会 Q&A詳細 亜硝酸ナトリウム(発色剤)について
ウインナ―やソーセージはボツリヌス菌繁殖の危険があるので、自家製するのはおすすめできません。
腸炎ビブリオのリスクがある魚醤
魚醤は、正しい作り方を守らないと、腸炎ビブリオ食中毒のリスクがあります。
塩分濃度を誤ると、腸炎ビブリオが住みやすい環境になり、細菌が繁殖してしまうのです。
一方、腸炎ビブリオは魚介類に多く付着している細菌で、食塩濃度が高い1~8%の環境下(増殖至適塩分濃度は2~3%)で増殖する特徴があります。
参照:腸炎ビブリオ食中毒の症状や特徴、予防方法について|MHCL WORKS LABO
- 塩が足りない
- よく混ざっていない
このような場合は、腸炎ビブリオが繁殖しやすい塩分濃度になっている部分ができてしまいます。
腸炎ビブリオ食中毒では、腹痛や下痢などの症状が現れます。
高齢者や持病があるなど抵抗力が弱っている人の場合、合併症を引き起こして死に至ることもあります。
自家製の魚醤は腸炎ビブリオの繁殖リスクがあるので、市販品の魚醤を使うのがよいでしょう。
参考:腸炎ビブリオ|「食品衛生の窓」東京都保健医療局 (tokyo.lg.jp)
発酵プロセスが複雑で自家製が難しい鮒(ふな)ずし
鮒(ふな)ずしも、自家製するには危険な発酵食品です。
鮒ずしは、発酵の過程が複雑で作業も多いため、失敗するとボツリヌス菌が繁殖する場合があります。
鮒ずしは、塩漬けした鮒とご飯を漬け込み発酵させて作ります。発酵により作られた乳酸がpHを下げて、他の食中毒の原因菌を増やさないようにしているのです。
しかし、発酵がうまくできていない場合は乳酸が増えません。
そうなると鮒やご飯がびっしり詰まった鮒ずしの内部は、酸素が嫌いなボツリヌス菌の格好の繁殖場所となってしまうのです。
鮒ずしは難易度が高く、失敗すると食中毒のリスクがあるため自家製するのは控えましょう。
参考:Microsoft PowerPoint - ふなずし飯漬けテキスト(堅田漁協) (shiga.lg.jp)
参考:鮒ずしができるまで|発酵日和 普段の生活で発酵を楽しむ。コツやレシピ満載の発酵Webメディア。 (hakko-biyori.com)
純粋培養でない自然由来の種菌を使った納豆・麹
純粋培養ではない自然由来の種菌を使った納豆や麹は、自家製すると危険です。培養の際に雑菌も増えてしまい、食中毒になるリスクがあります。
昭和20年代に藁納豆のサルモネラ菌による中毒事故があり、藁についた納豆菌を利用する危険性が知られるようになりました。
サルモネラ食中毒では、嘔吐や下痢、発熱などの症状が現れます。重症化すると、子どもでは意識障害やけいれん、高齢者では脱水などにつながることもあります。
納豆だけでなく稲についている稲麴など、自然由来の種菌を使うことはやめましょう。納豆や麴を自家製したい場合は、衛生管理されている純粋培養の種菌を使ってください。
参考:サルモネラ属菌|「食品衛生の窓」東京都保健医療局 (tokyo.lg.jp)
自家製納豆は危険?作るときの注意点
ポイントをしっかり守れば自家製納豆は危険ではありません。自家製納豆を作るうえでの注意点をご紹介します。
- 純粋培養の種菌を使う
- 種菌は使いまわししない
- アンモニア臭が続いたら注意
食中毒のリスクが高いため、必ず純粋培養の種菌を使ってください。
種菌は使いまわしせずに毎回新しいものを使いましょう。使いまわすと雑菌が混入したり、菌が変質したりして食中毒のリスクが高くなります。
においがすることは問題ありませんが、2~3日冷蔵庫で保存してもおさまらない場合は、見た目や食感に異常がないか確認しましょう。
変色していたり、食感がシャリシャリしている場合は劣化しているので、食べるのをやめてください。
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自家製の発酵食品を安全に作るためのポイント3つ
食中毒予防のため、自家製の発酵食品を安全に作る3つのポイントを守ってください。
食中毒予防の3原則を守る
食中毒予防には、守るべき3原則があります。
- つけない
- 増やさない
- やっつける
細菌をつけないために、手洗いをして清潔な調理器具を使いましょう。
細菌を増やさないために、でき上がった発酵食品をできるだけ早く冷蔵庫に入れてください。
参考:食中毒予防3原則編:農林水産省:農林水産省 (maff.go.jp)
自己流はNG!レシピどおりに作る
減塩したいからと塩を減らすなど、自己流でアレンジするのはやめてください。
発酵食品は、微生物による食品の化学変化を生かしてレシピが作られているため、仕組みを理解せずに自己流で作ると危険です。
たとえば、塩の殺菌力を利用して作るような味噌や醤油などは、塩を減らすと雑菌が繁殖するリスクがあります。
自家製しても危険が少ないと言われる発酵食品も、正しい作り方をしないと食中毒につながることがあります。
発酵食品を手作りする際は必ず正しいレシピに従いましょう。
自家製に向いている発酵食品を作る
自家製に向いている発酵食品を作りましょう。
健康のために発酵食品を手作りしようとして食中毒になってしまっては、元も子もありませんよね。
危険性のあるものは、しっかりと品質管理がされたうえで製造されており、家庭で簡単に作れるものではありません。
危険が少なく簡単!自家製に向いている発酵食品
家庭でも簡単にできる、自家製に向いている発酵食品をご紹介します。
発酵調味料である醤油麹や味噌、塩麹
醤油麹や味噌、塩麹は、材料・作り方ともにシンプルなので自家製に向いています。
塩の殺菌力を生かした発酵食品は、レシピの手順を守れば危険が少なく作れるので、初心者にもおすすめです。
味噌の材料はたったの3つです。
- 大豆
- 米麹
- 塩
醤油麹や塩麹も味噌と同じく少ない材料でシンプルな作り方のため、家庭で簡単に手作りできます。
市販のぬかから作るぬか漬け
ぬか床は、放置するとカビやボツリヌス菌が繁殖するリスクがありますが、きちんと管理していれば、食中毒のリスクも抑えられますよ。
また、野菜から出た水分でぬか床のバランスが変わるため、毎日ぬか床をかき混ぜることで安心でおいしいぬか漬けができるようになります。
毎日お手入れするのが面倒という方は、冷蔵庫に保管して、週に一度はお手入れしましょう。お手入れさえきちんとしておけば、市販のぬか床で簡単に自家製ぬか漬けができます。
関連記事:発酵食品を手作りするのは簡単!初心者が注意するポイントとおすすめレシピを紹介
市販品を利用して作る納豆やヨーグルト
市販品を使った納豆やヨーグルトは、自家製に向いています。自然由来の種菌とは異なり、品質管理がされているためです。
関連記事:【ビタントニオヨーグルトメーカーVYG-30とVYG-20違い】口コミブログ
発酵させるときの温度管理も、ヨーグルトメーカーや炊飯器があれば簡単です。
材料
- 水煮大豆 200g
- 市販の納豆菌 大さじ2
作り方
- 水煮大豆を耐熱容器に移しレンジ調理で熱々にする
- 市販の納豆と混ぜ合わせる
- ヨーグルトメーカーに移して45℃で24時間保温する
- 冷蔵庫で1~2日寝かせて完成
納豆菌は酸素があるところで繁殖しやすいため、保温の際は蓋をせずに清潔な布巾を被せておきましょう。ヨーグルトメーカーは炊飯器でも代用できます。
同様に、自家製ヨーグルトも簡単にできます。温めた牛乳に市販のヨーグルトを加えて保温するだけです。
市販品を利用した納豆やヨーグルトは、安全で簡単なので自家製向きの発酵食品ですね。
まとめ:自家製が危険な発酵食品には気をつけよう!
今回は、自家製が危険な発酵食品を解説しました。内容を振り返りましょう。
- ボツリヌス菌のリスクがあるウインナー・ソーセージ
- 腸炎ビブリオのリスクがある魚醤
- 発酵プロセスが複雑で自家製が難しい鮒(ふな)ずし
- 純粋培養でない自然由来の種菌を使った納豆・麹
これらは自家製すると食中毒の危険性があります。食中毒予防の3原則や、レシピどおりに作るなどの基本を守って、自家製に向いている発酵食品を作りましょう。
自家製納豆も、市販品を使えば安全で簡単にできるので、ぜひ今回の記事を参考にして作ってみてください。